英国の有力実業家リチャード・ブランソン氏が率いるヴァージン・グループは11日、宇宙旅行事業を手掛ける傘下の米ヴァージン・ギャラクティック・ホールディングスの株式の一部を売却すると発表した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で苦境にあるヴァージン・アトランティック航空など旅行、レジャー部門の運転資金を確保するのが目的。これによってブランソン氏はヴァージン・ギャラクティックの単独での経営権を失う。
ブランソン氏はヴァージン・グループ傘下の投資会社を通じてヴァージン・ギャラクティックの株式55%を保有している。売却するのは2,500万株。前営業日(8日)の終値に基づくと、約5億米ドルを調達することになる。
ヴァージン・アトランティック航空は新型コロナの影響で大部分の便が運休となっており、存続の危機に直面している。ブランソン氏は英政府に支援を要請したが拒否されたため、今回の株式売却を迫られた。同氏のヴァージン・ギャラクティックに対する持ち株比率は43%に縮小する。