独百貨店大手、62店舗を閉鎖へ

独百貨店大手ギャラリア・カールシュタット・カウフホーフは19日、計172店舗のうち62店舗を閉鎖することで労組と合意したと発表した。同社は業績が低迷するなかで新型コロナ危機の追い打ちを受けたことから、店舗の大幅削減が避けられない状況となっている。従業員2万8,000人のうち約6,000人を整理する見通しだ。

ギャラリア・カールシュタット・カウフホーフは親会社であるシグナがカウフホーフを買収して設立した企業。百貨店業界はネット通販の台頭などで長期の不振に直面しており、同社はコロナ危機前から赤字に陥っていた。

新型コロナの感染拡大を防ぐために国と州が3月18日から、食料品店などを除く小売店の営業停止を命じたことで、同社の売上高は5月中旬までに5億ユーロ目減りした。現在は小売店の営業が再び認められているものの、感染リスクや家計の先行きを懸念する消費者はショッピングを控えており、同社は今年、10億ユーロの減収を見込んでいる。巣ごもり消費は長期化するため、2022年末までの減収幅は計14億ユーロに達するというのが経営陣の見方だ。

どの店舗が閉鎖対象となるかは現時点で明らかにされていない。カールシュタットとカウフホーフの店舗は近接しているケースが多いことから、多くの都市でどちらかの店舗を閉める方向とみられる。

同社は経営悪化を受けて4月初旬に民事再生手続きの適用を受け、自己管理型の経営立て直しに取り組んでいる。今後はVerdiとの間で取り決めた経営再建計画の承認を債権者委員会から取り付ける予定だ。同計画が7月1日までに承認されない場合は、会社更生手続きへと切り替えられることになる。

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