新型コロナウイルスの影響で深刻な経営難に陥っている英ヴァージン・アトランティック航空は14日、株主、債権者などによる救済策で合意したと発表した。出資など総額12億ポンド(約1,600億円)相当の支援を受ける。
発表によると、株主のヴァージン・グループが2億ポンドを出資。同グループと、同じく株主の米デルタ航空が合わせて4億ポンドの債務の返済猶予、免除に応じる。また、債権者が4億5,000万ポンドの債務の返済を猶予する。このほか、米ヘッジファンドのデビッドソン・ケンプナー・キャピタル・マネジメントが1億7,000万ポンドの担保付き融資を提供することが決まった。
新型コロナ危機に伴って大幅な運航縮小を迫られ、資金繰りが厳しくなっているヴァージン航空をめぐっては、ヴァージン・グループを率いるリチャード・ブランソン氏が政府に支援を要請したが、拒否された。政府は英国の他の航空会社への支援を決めたが、ヴァージン航空については民間による支援の余地があるとして、要請に応じなかった。
このため、ヴァージン航空は民間による救済を模索し、合意にこぎ着けた。これによって当面の運転資金を確保。22年の黒字化を目指す。