伊高速道運営最大手が国有化、高架橋崩落事故の責任問題で

イタリア政府は15日、運輸インフラ会社アトランティアの高速道路運営子会社アウトストラーデ・ペル・イタリアの過半数株式を政府系金融機関の預託貸付公庫(CDP)が取得することで基本合意したと発表した。これによって国内最大の高速道運営会社であるアウトストラーデは事実上、国有化される。ジェノバの高速道路の高架橋崩落事故の責任をとらされた形となる。

アウトストラーデをめぐっては、43人の死者を出した2018年の高架橋崩落事故の責任問題が浮上。親会社のアトランティアと、同社を支配するベネトン一族にも批判の矛先が向けられている。政府はアウトストラーデの道路運営権をはく奪することをちらつかせ、アトランティアとベネトン一族にアウトストラーデの経営から手を引くよう迫っていた。

CDPは投資家とともにアウトストラーデの増資を引き受け、現在は88%となっているアトランティアの持ち株比率を希釈化するといった形で、株式の51%を取得する。アウトストラーデはアトランティアから分離される。9月末までの手続き完了を見込む。

取引額など詳細は不明。政府は合意が履行されない場合、アウトストラーデの道路運営権をはく奪すると警告している。

上部へスクロール