ランクセスが浄水事業再編、逆浸透膜事業は売却へ

独化学大手のランクセスは16日、浄水事業を再編すると発表した。将来性の高いイオン交換樹脂事業を強化する考えで、逆浸透膜事業は環境サービス大手の仏スエズに売却する。

逆浸透膜は水以外の不純物を透過させない膜で、海水や排水の浄化に用いられる。ランクセスは同事業が経営戦略に合致しなくなったことを受けて譲渡を決めた。独東部のビターフェルトにある工場と研究施設を、従業員を含めてスエズに譲渡する。取引金額は非公開。年内の売却手続き完了を見込む。

イオン交換樹脂には溶液に含まれたイオンを分離する働きがある。バイオや半導体、電池産業向けの需要が増えていることから、ランクセスは8,000万~1億2,000万ユーロを投じて年産能力2万―3万立方メートルの生産施設を5年以内に建設する計画だ。同施設をどこに設置するかは近く、決定する予定。同社はイオン交換樹脂を現在、独レバークーゼン、ビターフェルト、印ジャガディアで生産している。

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