7月のユーロ圏インフレ率、確定値も0.4%

EU統計局ユーロスタットが19日に発表した7月の消費者物価統計によると、ユーロ圏のインフレ率(確定値)は速報値と同じ前年同月比0.4%となり、前月の0.3%を0.1ポイント上回った。新型コロナウイルス対策の経済・社会活動制限が緩和されつつあることで、物価下落圧力が弱まり、2カ月連続で上昇した。(表参照)

分野別ではエネルギーが8.4%下落したが、工業製品が1.6%、サービスが0.9%の幅で上昇した。ECBが金融政策で重視する基礎インフレ率(価格変動が激しいエネルギー、食品・アルコール・たばこを除いたインフレ率)は1.2%で、前月を0.4ポイント上回った。

EU27カ国ベースのインフレ率は前月を0.1ポイント上回る0.9%。主要国はフランスが0.9%、イタリアが0.8%上昇した。ドイツは横ばい。スペインは0.7%のマイナスだった。

エコノミストらの間では、ドイツが7月に景気対策として、消費税に相当する付加価値税の税率を一時的に引き下げたことから、ユーロ圏のインフレ率が鈍化すると予想する向きが多かった。上昇はフランス、イタリアでコロナ禍の影響で小売業の夏のセールが同月に実施されなかったことが要因との見方が出ている。

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