仏電子決済大手の同業買収、欧州委が承認

欧州委員会は9月30日、電子決済大手の仏ワールドラインが同業の仏アンジェニコを買収する計画を承認したと発表した。ワールドラインは条件として、EU3カ国での事業の一部を手放すことを求められる。

ワールドラインは2月、アンジェニコを78億ユーロで買収することで合意していた。これによってワールドラインは急成長している決済サービス市場で欧州最大手、世界4位に浮上する。

欧州委の審査では、同買収によってオーストリアとベルギー、ルクセンブルクの店舗向けクレジットカード決済市場の健全な競争が損なわれることが問題として浮上した。

これに対してワールドラインが競争上の是正措置として、店舗がレジでの販売情報を記録してマーケティングに活用する販売時点情報管理(POS)システムに関連する事業のうち、ワールドラインがルクセンブルクで展開する加盟店開拓事業の一部と、アンジェニコがオーストリアとベルギーで行っている加盟店開拓、加盟店へのPOS端末供給事業などを売却することを提案。欧州委は同措置によって競争上の懸念が払しょくされるとして、その実施を条件に買収を承認した。

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