NEDO、ポーランドにハイブリッド蓄電池システム設置

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2日、ポーランド北部グダニスクのビストラ風力発電所に国内最大規模のハイブリッド型蓄電池システム(BESS)を設置し、実証運転を開始したと発表した。同地で予定されている大規模な風力発電プロジェクトをにらみ、電力系統の安定化への有効性を検証する。設置および運転作業は日立製作所、昭和電工マテリアルズ、三井住友銀行が受託した。実証事業はポーランド気候省と共同で進める。

ポーランドは再生可能エネルギー比率の引き上げを目指しており、特に北部地域は風力発電の適地と目されることから今後の大量導入が計画されている。一方、既存の電力インフラは老朽化や能力不足が指摘されており、大量導入後に予想される系統の不安定化や、発電量と電力需要のずれから生じる需給バランスの乱れへの対応が課題となっていた。

今回導入したBESSは、高出力のリチウムイオン電池と大容量の鉛蓄電池を組み合わせたハイブリッド式とすることで、電池の出力と容量のバランスを最適化している。これによって風力発電量の変動に伴う系統の不安定化の解消と需給バランスの調整が低コストで可能になった。ビストラ風力発電所では6月に試運転を開始し、9月25日から本格的な実証運転に移行している。

上部へスクロール