国際通貨基金(IMF)は1月26日に発表した最新の世界経済見通しで、世界全体の2021年の予想成長率を5.5%とし、前回(10月)の5.2%から0.3ポイント上方修正した。世界の一部で新型コロナウイルスのワクチン接種が開始されたことなどで、景気回復が進むと見込んでいる。ただ、ユーロ圏に関しては、コロナ感染拡大が続き、ロックダウン(都市封鎖)が再開されていることで、21年初めまでは景気回復がもたつくとして、前回の5.2%を1.0ポイント下回る4.2%に下方修正した。(表参照)
世界全体の上方修正は、ワクチン接種開始でコロナ禍収束の期待が膨らんでいることや、日米の追加経済対策で経済活動の正常化が進むとみられるため。米国は5.1%、日本は3.1%で、それぞれ2.0ポイント、0.8ポイント引き上げた。
ユーロ圏主要5カ国の予想成長率はドイツが3.5%、フランスが5.5%、イタリアが3.0%、スペインが5.9%。前回と比べてドイツは0.7ポイント、フランスは0.5ポイント、イタリアは2.2ポイント、スペインは1.3ポイントの幅で下方修正した。
22年のユーロ圏の予想成長率は3.6%とした。