欧州委員会は28日、米製薬大手ファイザーが独バイオ企業ビオンテックと共同開発した新型コロナウイルス用ワクチンのEUでの接種について、対象を12歳以上に引き上げることを承認したと発表した。これまでは16歳以上に限られていたが、欧州医薬品庁(EMA)が同日、12~15歳への使用を勧告したことから、対象を拡大する。
ファイザーとビオンテックは3月、12~15歳を対象とする治験で16歳以上と同等の有効性と安全性が確認されたと発表。EMAと米食品医薬品局(FDA)に治験データを提出し、同年齢層も緊急使用許可の対象に加えるよう申請していた。
欧州委はEMAによる承認を受けて、新たに12~15歳への使用を認めたが、実際に同年齢層に接種するかどうかはEU各国の判断に委ねられる。ドイツ政府は27日、同承認を前提に、6月7日から対象年齢を拡大すると発表していた。
ファイザー連合のワクチンの対象年齢引き下げは、カナダが5月5日に世界で初めて承認。FDAは5月12日に承認した。日本では厚生労働省が28日、引き下げを決めた。