米銀最大手JPモルガン・チェースは17日、デジタル資産管理会社の英ナツメグ・セービング・アンド・インベストメントを買収することで合意したと発表した。JPモルガンは年内に英国でデジタル銀行事業を立ち上げる計画で、ナツメグ買収はその一環を位置付けている。
買収金額は公表されていないが、ロイター通信などは関係者の話として、ナツメグの企業価値を7億ポンド(約1,070億円)程度と評価した取引だと報じている。監督当局の認可を得て、2021年後半の手続き完了が見込まれる。
ナツメグは12年設立。個人向けにオンラインで運用商品を提供しており、人工知能(AI)を駆使して専門的な助言を与えるロボットアドバイザー(ロボアド)に定評がある。約14万人の顧客を抱え、運用資産は35億ポンドを超えるが、黒字化できていない。
JPモルガンは年内に英国で「チェース」ブランドの個人向けデジタル銀行事業を始める計画。ナツメグが持つ最新技術を駆使して資産運用サービスを強化し、フルサービスのデジタル銀行を目指すと説明している。