自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)は13日、中国電池大手の国軒高科と電気自動車(EV)向け電池の生産で提携すると発表した。また、スペインでのEV用電池工場設置を検討していることも明らかにした。
国軒高科とは独北部ザルツギターにあるVWの工場内に電池工場を共同で開設する。2025年の操業開始を予定している。同提携はVWが他の電池メーカーと結んだ取引には影響しない。
国軒高科は寧徳時代新能源科技(CATL)、比亜迪(BYD)に並ぶ中国の主要車載電池メーカー。VWは20年5月、同社に約11億ユーロを出資して株式26%を取得し、筆頭株主となることで合意していた。中国の電池メーカーに外資が出資するのは初めて。出資計画は中国当局が承認済みで、現在は取引完了に向けた最終手続きが行われている。
スペインでは他社と提携して電池工場を開設する予定。生産能力は40ギガワット時(GWh)。30年にフル稼働する。
VWはEV製造を大幅に拡大する戦略を進めており、それに必要な電池の生産拠点を2030年までに欧州の計6カ所に確保する計画。生産能力は計240ギガワット時(GWh)で、これまでに同社が出資するスウェーデンのノースボルトの工場での生産開始が決まっていた。ザルツギター、スペインでの工場開設により、計3カ所の生産拠点を確保する形となる。