ポーランドの航空環境調査会社MGGPアエロは5日、全国の樹木の分布を分析した地図を発表した。同地図はEU指令に基づき公表されており、専門家や政策担当者のみならず一般市民の利用が可能となっている。
同社は政府が支援する環境調査手法の開発プロジェクト「HabitARS」に参加し、大学や研究機関と協力してきた。その成果の一部として発表されたのが今回の地図で、遠隔調査や機械学習の手法を用いて地図を作成した。同地図には樹高が4メートルを上回り、9平方メートル以上の大きさを持つ樹冠の分析結果が示されている。
同社の調査によると、広さ966万ヘクタールの地域に33億の樹冠が確認された。これは同国の国土面積の31%に相当する。収集された情報には樹冠の位置する座標、その範囲と大きさ、樹木の高さが含まれる。
実際の調査では、リモートセンシング技術により遠隔で情報を収集した。測地学・地図学中央局の航空機搭載レーザーを使い、1キロメートル上空から樹冠の高さと分布を測定している。
収集されたデータはEUの「欧州空間データインフラ(INSPIRE)指令」に従い公表された。同指令は空間データに関するインフラを整備しEUの環境政策などに活用していくことを目的としており、33のテーマが設定されている。
「HabitARS」プロジェクトはポーランド政府が支援して実施された環境調査手法の開発プロジェクトで、環境保護の促進を目的として植生に関する調査を遠隔で行う技術の開発を行ってきた。同プロジェクトの参加団体にはMGGPアエロの他、ワルシャワ大学や科学技術・生命科学研究所などがある。