露鉄鋼大手がEU輸出を停止、経済制裁に報復

EUが対ロシア経済制裁の一環でロシア要人の域内の資産凍結を決めたことを受けて、ロシア鉄鋼・鉱山大手のセベルスタリは2日、EU域内の企業・卸業者向けの輸出を停止したと発表した。同社の筆頭株主である大富豪、アレクセイ・モルダショフ氏が制裁対象となったことへの報復措置としている。現地通信社TASSによると、予定していた欧州向け製品は中東、アジア、南米に供給する考えだ。

露プーチン大統領が2月21日、ウクライナ東部の分離独立派が支配するドネツクとルガンスクを独立共和国として承認したことを受け、EUは23日に域内金融・資本市場へのロシアのアクセスの制限など第1段階の制裁措置を決めた。その後、プーチン大統領を始め主要政治家、実業家、軍関係者などの資産凍結や域内の入出国禁止、主要銀行のSWIFT排除など経済制裁の対象を大幅に拡大した。

セベルスタリは1993年に国営企業から公共株式会社(OJSC)に形態を変更。2004年に米国の地方鉄鋼会社買収により北米市場に進出し、欧米での企業買収により国際事業を大きく拡大した。ウクライナ、カザフスタン、フランス、イタリアと複数のアフリカ諸国にも生産施設がある。

上部へスクロール