いよいよ師走に突入し、クリスマスに向けた準備が本格化している。しかし、中東欧諸国では経済危機で販売が後退した「生(なま)のクリスマスツリー」の需要がいまだに回復していない。オーストリア・ニーダーエスタライヒ州のクリスマスツリー栽培農家協会によると、ハンガリーやルーマニアでは、人気のコーカサスモミ(ノルトマンモミ)に手が届かない人が多いという。それに比べると、チェコ、ポーランド、スロバキアではまだましということだ。
\デンマーク・クリスマスツリー協会は、2億2,000万人が住む中東欧地域で年間500万本のコーカサスモミが「消費」されていると推測する。ただ、国民の懐事情とプラスチック製ツリーに押されて売れ行きは伸びていない。
\それでも売れ残りを心配する必要はないようだ。欧州2位のクリスマスツリー生産国であるデンマークが7年前に栽培面積を減らしたことで、今年も欧州全体で200万本が不足する見通しとなっている。栽培面積は再び増えたが、木が育つまでに8~10年かかるため、特に高さ1.8~2.5メートルの大きなサイズで需要が供給を上回るとみられる。
\クリスマスツリーが育って立派な姿を見せる頃には、中東欧経済が回復していることを願う。
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