2011/6/8

コーヒーブレイク

貯蓄・消費ともに意欲旺盛~ロシア

この記事の要約

PNBパリバの消費者金融事業、セテレムが実施した欧州13カ国の消費意欲調査によると、ロシア人は他国民に比べて貯蓄意欲も高いが、高額の買い物を予定している人も多いという結果が出た。経済見通しが明るいのに加え、国会選挙や大統 […]

PNBパリバの消費者金融事業、セテレムが実施した欧州13カ国の消費意欲調査によると、ロシア人は他国民に比べて貯蓄意欲も高いが、高額の買い物を予定している人も多いという結果が出た。経済見通しが明るいのに加え、国会選挙や大統領選挙を前に可処分所得の拡大が見込めるためで、その用途で貯蓄派と消費派に分かれたもようだ。

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ロシア人の景況評価は4.9と昨年の5.0を下回った。しかし、フランス(4.1)、スペイン(3.7)、ハンガリー(3.3)、ポルトガル、ルーマニア(それぞれ2.6)などと比べると楽観的だ。原油価格上昇の波に乗り、他国に先んじて今年にも金融危機前の経済水準に回帰する見込みであることが背景にあるとみられる。なお、ドイツだけが唯一5.8とロシアを上回った。

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貯蓄を増やす予定の人は58%で、13カ国平均の33%を大きく上回っている。一方で、購入を予定しているものとしては、不動産と答えた人が19%、家電製品は75%、家具は64%と、大きな買い物を挙げる人が多かった。

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第1四半期のロシア小売売上高は前年同期比4.7%、サービス売上高は2.3%拡大した。賃金上昇率が0.5%にとどまり、実質所得はマイナスとなったが、国会・大統領選挙を前に所得が増えると読む国民が多いようだ。

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消費動向は、消費者金融サービスの存在にも左右される。資金が借りやすくなった製品群では販売が増える傾向にあり、例えば、自動車ローンの融資資金が35%拡大された自動車業界では前年同期比で乗用車販売台数が88%も増えた。

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他の欧州諸国と異なり、ロシアでは中産層が金融危機の影響をあまり受けなかった。というのも、中産層人口3,300万人のうち、1,600万人近くが公務員だからだ。選挙の票読みでも公務員は大きな比重を占めている。

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セテレムは、今年第1四半期にドイツ、英国、ベルギーフランス、イタリア、スペイン、ポルトガル、ハンガリー、ポーランド、チェコルーマニア、スロバキア、ロシアの13カ国、8,700人を対象にインターネットでアンケート調査を実施した。

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