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2011/3/9

コーヒーブレイク

結婚は時代遅れ?~チェコ

この記事の要約

チェコでも結婚しないカップルが増えている。同国統計局(CSU)がこのほど発表したところによると、2010年1~3月の婚姻件数は3万9,000組で前年同期から2,600組減少した。第一次世界大戦中の1915~17年を除くと […]

チェコでも結婚しないカップルが増えている。同国統計局(CSU)がこのほど発表したところによると、2010年1~3月の婚姻件数は3万9,000組で前年同期から2,600組減少した。第一次世界大戦中の1915~17年を除くと、市民婚(役所での婚姻)が導入された1871年以来で最も少なかった。

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チェコの男女が伴侶を求めていないのではなく、結婚しないカップルが増えていることが背景にある。子どもができても結婚しないという筋金入りも多い。同居しないカップルが増えるにつれて、婚姻件数が減ってきた。およそ30年前に西欧諸国で始まったトレンドが、1989年の体制変換以来、チェコでも見られるようになった格好だ。

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社会主義政権下ではなぜ、婚姻件数が減らなかったかというと、外国旅行の制限などで市民の活動範囲が狭く、自然と家庭生活に目を向けるようになった、というのが専門家の意見。また、子どものいる世帯を対象とした国の優遇貸付制度の存在も大きかったという。チェコの婚姻件数は社会主義国だった1973年に10万組(当時のチェコ人口:1,000万人)のピークを迎えた。

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体制変換後は、大学での勉強やキャリア、また旅行などを優先して結婚を遅らせる傾向が強まった。1960~89年には初婚年齢の平均は男24歳、女21歳だった。それが、90年代半ばにはそれぞれ26歳、23歳、2000年には28歳と26歳、09年には32歳と29歳となり、晩婚化が一目瞭然だ。

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同時に離婚率も上昇した。90年前には3%以下だったが、20世紀半ばには12%、1989年には39%に増加した。現在は47%と、大雑把に言えば2組に1組が離婚している計算だ。

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