2011/3/2

コーヒーブレイク

ショパンの伝記漫画を処分~ポーランド

この記事の要約

ドイツの学校で配布される予定だったショパンの伝記漫画『ニュー・ロマンティック』が道徳的見地から処分されることが決まった。ポーランド外務省と在ベルリン・ポーランド大使館が約3万ユーロの資金を提供したとあって、当局は説明に苦 […]

ドイツの学校で配布される予定だったショパンの伝記漫画『ニュー・ロマンティック』が道徳的見地から処分されることが決まった。ポーランド外務省と在ベルリン・ポーランド大使館が約3万ユーロの資金を提供したとあって、当局は説明に苦心している。

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この漫画は、ドイツの生徒にショパンがポーランド人だったことを知ってもらおうという狙いで配布が予定されていた。セリフはポーランド語とドイツ語の2カ国語で、ショパン生誕200周年を記念して昨年から行われてきた「ショパン年」行事の締めくくりとなるはずだった。

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ストーリーは現代を舞台とし、フィクションを織り込みながらショパンの生涯を描いている。収められているエピソードの一つはショパンが現代の刑務所でコンサートを行うというもので、ショパンの友人として、その収容所で服役した経験のあるスキンヘッドの青年を登場させている。

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会話で英語の「f**k」や「p***y」に当たる俗語が多用されているほか、スキンヘッドの青年が麻薬を吸引しているように見えるシーンがある。現地テレビ局、TVNワルシャワの2月21日報道を機に、政府がドイツの学校に贈るには相応しくないとの批判が当局に殺到した。

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シコルスキ外務相は「漫画の内容どころかドイツの学校へ配布するという計画自体、知らなかった」と説明。ただ、「この漫画を発注したのは大変な不注意だった」と誤りを認めた。また、責任問題については、この件を担当した大使館職員がすでに辞職したため、引責処分は不可能と述べた。

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印刷された2,000冊のうち、すでに配布されて処分をまぬがれたものについては、価値が上がるとの観測も浮上している。流通冊数がわずかなのに加えて、コミック業界の評価が上々なためだ。ワルシャワで開かれた慈善目的の競売では、60ユーロの値が付いた。国内最大のオークションサイト「アレグロ」では1日、1,220ズロチ(307ユーロ)で落札された。

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