2011/5/11

コーヒーブレイク

東欧の製品は劣質?

この記事の要約

社会主義体制下で珍重された西欧製品は、今でも人気を失っていない。ルーマニアのスーパーには西欧と同じメーカー品が並ぶ。しかし、土地の人は「ミュンヘンやウィーンで売っているものの方がおいしい」と言い、ドイツやオーストリアに住 […]

社会主義体制下で珍重された西欧製品は、今でも人気を失っていない。ルーマニアのスーパーには西欧と同じメーカー品が並ぶ。しかし、土地の人は「ミュンヘンやウィーンで売っているものの方がおいしい」と言い、ドイツやオーストリアに住む親戚・知人に頼んでコーヒーやチョコレートなどを送ってもらっている人も少なくない。

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そんな現地の印象を裏付けるような、スロバキア消費者保護サービスの調査結果が発表された。同一ブランドの製品を西欧と東欧で比べたところ、東欧の製品は質が劣るというのだ。この調査はスロバキアの欧州連合(EU)常駐代表が費用を負担して行われたもので、近く、EUのダリ消費者政策委員に提出される予定だ。

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調査では、コカコーラ、ヤコブス・クレーヌング(コーヒー)、チボー・エスプレッソ、ネスカフェ・ゴールド、ミルカ・チョコレートおよびコターニ社の黒こしょうと赤こしょうを、ドイツ、オーストリア、チェコ、ポーランド、スロバキア、ルーマニア、ブルガリアの7カ国のスーパーで購入し比較した。ミルカ・チョコレートを除くと、西欧で売られている製品の方が質が高いという結果が出た。

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たとえば、東欧のコカコーラは甘味料として価格の安い異性化糖を用い、ドイツとオーストリアではショ糖及びグラニュー糖を使っているという。コカコーラ社では、同じ材料で作られているはずとして、調査する意向を示している。

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東欧向けの製品が西欧と同じになるまでは、しばらく時間がかかりそうだが、ルーマニアの消費者はすでに自力で問題を「解決」している。トランシルバニア地方のシビウには、ドイツとオーストリアから毎週、訪問客と一緒に「頼まれもの」のコーヒーやチョコレート、洗剤を積んだバスが到着する。

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伝手(つて)がない人も大丈夫だ。闇で日用品を売るポペスクさんは数年来、ドイツ・オーストリア国境方面へ毎週出かけ、スーパーの特売品を「仕入れて」くる。石けん、制汗剤、あめ、バニラシュガーなど、取り扱う品はさまざま。よく売れるのは食用油、コーヒーで、祝祭日の前は菓子の人気も高いという。

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この「ビジネス」を思いついたのは、ドイツに旅行した際、近所の人が皆、土産にコーヒーを望んだことからだった。失業した後はこれが本業となり、その利益で家を建て、兄弟をビジネスに加えて規模を拡大した。最近では香水など、価格の高い商品の注文もあり、事業は好調だ。

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