スロバキアで今月初めから脱税対策として「レシートくじ」がスタートした。レシートが宝くじとなり、現金や高額商品が当たるというもので、客が買い物のときに領収書やレシートを要求するよううながす狙いだ。ただ、賞金が比較的少ないことや、脱税による低価格実現など客が得をしている部分もあり、どれほどの効果があるかは未知数だ。
\「レシートくじ」に参加するには、レシートに記載されている小売店登録番号、取引日、取引金額を宝くじ販売所か、ネットやスマホで登録する。レシートは◇取引額1ユーロ以上◇9月1日以降に発行◇発行日が登録時からさかのぼり2カ月以内――の条件を満たすことが必要だ。
\隔週で1人に1万ユーロ、9人に100~3,000ユーロの賞金が当たる。また、4週間に1度、県ごとに1人、全国で8人に現金1万ユーロか、自動車などの高額商品が当たる。第1回抽選日は30日で、当選したレシートの情報は10月2日に公表される予定だ。
\同様なシステムを導入したマルタでは、初年度に付加価値税の増収額が1億ユーロを超えたという。台湾でも75%増加した。
\賞金が少なくて効果が上がらないという声もあるが、30万ユーロが当たる台湾に対して、マルタは1万8,000ユーロで済んでいる。
\スロバキアは平均月収が805ユーロ、年金支給額が360ユーロに過ぎず、低所得層を中心に国民の「やる気」が鼓舞されるかももしれない。
\スロバキア商工会議所の推算によると昨年の脱税額は26億ユーロと過去最高を更新。2006年の14億ユーロの2倍近くに上っている。
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