ポーランドのエネルギー・資源企業の国外進出が活発になっている。国外事業に最も積極的なのは、石油ガス最大手のPKNオルレンで、2003年にドイツのガソリンスタンド網を1億4,000万ユーロで取得。買収直後は赤字経営だったが、06年には黒字転換を果たした。同社は中東欧のエネルギー市場でトップシェアを獲得することを目指しており、04年にチェコのUnipetrolを、06年にリトアニアのマゼイキウ・ナフタを買収した。Unipetrolとの経営統合は成功したが、マゼイキウ・ナフタを巡っては06年7月にパイプラインで火災、同10月には製油所でも火災が起こるなど事故が相次ぎ、精製量が通常の半分以下に落ち込むなどトラブルに見舞われている。
\石油業界2位のロトスは、ノルウェー領北海のイメ油田の権益10%を保有しているほか、子会社ペトロバルティックを通じて42%を出資するリトアニアの石油開発会社Geonaftの残り株式58%を取得し、完全子会社とすることを計画している。
\天然ガス最大手のポーランド石油・ガス採掘公社(PGNiG)は、07年にノルウェーのスカルヴガス田の権益11%を買収。同ガス田で採掘したガスは独子会社POGCトレーディングを通じて西欧諸国に販売する計画だ。
\90年代にコンゴ民主共和国での銅山開発で巨額の資金を失った欧州最大の銅生産会社であるKGHMは、今年5月にカナダの銅・金鉱床開発で現地採掘企業アバクス(Abacus)と合弁会社を設立すると発表した。KGHM は合弁会社の権益51%を3,700 万米ドルで取得し、同鉱床の開発を主導。同社はこの鉱床開発で、2013年から年5万トンの銅生産を見込む。
\このほか、実業家のクラウゼ氏率いる石油開発企業ペトロインベストは、カザフスタンでの油田探査にこれまでに3億5,000万米ドルを投じているが、商業生産が可能な油田の発見には至っていない。
\ポーランド企業の外国投資は体制転換以降の累積で200億ユーロに達している。過去5年間の平均投資額は30億ユーロを超えている。
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