ポーランドとロシアの間で進められているガス供給交渉が難航している。欧州法遵守を求める欧州連合(EU)が交渉の席に加わったことが事態を複雑にしているためだ。10月20日までに合意が得られなければ、ポーランドでガスが不足する可能性もある。
\問題となっている契約は、ロシアのガスプロムとポーランドの石油ガス大手PGNiGが今年1月に合意したもので、現行74億5,000立方メートルの年間供給量を、今年90億立方メートル、来年以降102億立方メートルに拡大する内容となっている。しかし、欧州連合(EU)がポーランドに対する割引措置が欧州法に違反していると認定したため、改めて交渉がもたれることとなった。
\ポーランドのパヴラク副首相によると、ロシア側は、今回の小さな契約の内容が、欧州に供給するガス全体(約1,400億立方メートル)の価格に波及することを恐れて、妥協に慎重になっているという。法律顧問として交渉に参加しているEUは、料金、パイプライン運営、ガス再輸出の3点を審査している。
\ポーランドは国内ガス需要のおよそ3分の2をロシアに依存している。PGNiGはすでに9月20日の時点で、交渉が長引けば国内供給の縮小を余儀なくされるとの声明を出した。実際に供給量が減った場合には、化学業界や石油産業、電熱併給設備(CHP)運営業者などに大きな影響が出るとみられる。このため、10月初めに予定される次回の交渉の成り行きが注目される。
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