2010/2/17

総合・マクロ

中東欧3カ国、10-12月期経済成長が市場予測下回る

この記事の要約

ポーランドを除く中東欧5カ国(チェコ、スロバキア、ハンガリー、ルーマニア、ブルガリア)は12日、2009年10-12月期の国内総生産(GDP)成長率を発表した。チェコ、ルーマニア、ブルガリアは市場予測を大幅に下回り、予測 […]

ポーランドを除く中東欧5カ国(チェコ、スロバキア、ハンガリー、ルーマニア、ブルガリア)は12日、2009年10-12月期の国内総生産(GDP)成長率を発表した。チェコ、ルーマニア、ブルガリアは市場予測を大幅に下回り、予測を上回ったハンガリーも7四半期連続の前期比マイナスとなった。市場からは、各国が描く今年の景気回復シナリオを危ぶむ声が上がっている。

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各国統計機関の速報値発表によると、それぞれ季節調整済み前年同期比でチェコがマイナス4.2%、スロバキアがマイナス3.6%、ハンガリーがマイナス5.3%、ルーマニアがマイナス6.6%、ブルガリアがマイナス6.2%となった。前期比は発表したチェコ、ハンガリー、ルーマニアの3カ国すべてでマイナスだった。

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チェコはヤノタ財相が「最悪でも前年同期比マイナス4%に収まると考えていた」と述べるなど、予想外に悪い数字。チェコのGDPは輸出が約7割を占めるうえ、主要輸出国のドイツが10-12月期で前期比ゼロ成長となるなど西欧の景気回復に陰りが見えてきたことが早くも影響したとみられており、KBC銀行のアナリストは「中銀も利上げを遅らせることになる」と景気の先行きに警戒感を示した。

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スロバキアは鉱工業生産が12月で前年同月比約12%増えるなどけん引し、市場予測を上回った。政府は1月、今年の経済成長率をプラス2.8%に上方修正するなど、景気回復への期待を高めている。だが、同国も輸出の2割がドイツ向けで、ドイツ経済の影響を強く受ける。Slovenska SporitelnaのMusak氏は「08年12月は生産が急激に落ち込んだ時期。09年12月に生産が伸びたわけではない」と指摘、10-12月期の数字を過度に楽観視しないようクギを刺した。

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ルーマニア、ブルガリアは欧州連合(EU)内で、バルト3国に次いで低い水準。輸出の減速に加え、失業率の上昇で個人が消費を引き締めているという。

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