2010/3/3

CIS諸国

ウクライナ、ヤヌコビッチ新大統領が就任

この記事の要約

2月7日のウクライナ大統領選挙で当選したヤヌコビッチ新大統領は25日、同国議会で就任宣誓を行い、正式に大統領に就任した。任期は5年。新大統領は就任演説で政治の安定を回復させると強調、議会に協力を呼び掛けた。だが、大統領選 […]

2月7日のウクライナ大統領選挙で当選したヤヌコビッチ新大統領は25日、同国議会で就任宣誓を行い、正式に大統領に就任した。任期は5年。新大統領は就任演説で政治の安定を回復させると強調、議会に協力を呼び掛けた。だが、大統領選を争ったティモシェンコ首相は新大統領が求める辞任を否定して対抗意識をむき出しにしており、政治の安定にはさらに時間がかかりそうな情勢だ。

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新大統領は就任宣誓式で、財政問題や貧困などウクライナが抱える問題を挙げたうえで、この克服には「効果的な政治システムと機能的な政府が必要だ」と指摘。対外関係については「欧州連合(EU)とは非同盟の関係を築く」と述べ、将来のEU加盟を目指すとした選挙戦での発言を事実上撤回、加盟は目指さないとの方針を明らかにした。

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新大統領は母体政党・地域党を軸とした新たな多数派を議会内に形成し、ティモシェンコ内閣に対する不信任案を成立させて総辞職に追い込みたい考え。現内閣を支える連立与党3党のうち、リトビン連合は地域党に協力する姿勢を見せているが、地域党は過半数確保まで残り2党(ティモシェンコ連合、我々のウクライナ)からさらに8議席の切り崩しが必要だ。

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地域党は当初、24日に議会に内閣不信任案を提出する予定だった。だが、手続き上の理由で提出を3月5日まで延期させたとしており、水面下の駆け引きが激化している様子だ。新大統領は新内閣の首相を、大統領選で3位だったティギプコ元中銀総裁、同4位だったヤツェニュク元議会議長、地域党大統領選対策委員長のアザーロフ氏のいずれかから選ぶとしているが、市民の支持が高いティギプコ氏は「本命はアザーロフ。自分が就任する可能性は5%」としている。

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ティモシェンコ内閣の不信任案が通らなかった場合は、「新大統領は議会解散、早期総選挙に打って出る」(ルネッサンス・キャピタルのアナリストGolovach氏)と予測する声も多い。

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