アイルランドのLenihan財相は3月30日、同国銀行大手アライド・アイリッシュ銀行(AIB)のポーランド子会社Bank Zachodni(BZ)を年内に売却させる方針を明らかにした。AIBの資本増強を図るため。BZは総資産でポーランド銀行4位につけており、早くも外国資本の有力行が買収に関心を示しているという。
\アイルランド政府は、81億ユーロを投じて国内有力行の不良資産を買い取る“バッドバンク”の設立準備を進めている。その見返りとして、政府は各行に中核的自己資本(ティア1)比率を8%以上に高めるよう求めている。AIBのティア1比率は2009年末で5%に過ぎず、政府の要求を満たすには74億ユーロの調達が必要。このためBZのほか、米国、英国など外国子会社の売却に迫られている。
\AIBのBZ株式保有比率は70%。BZのモラビエツキ最高経営責任者(CEO)はロイターなどに対し、「多くの外国銀行がAIBにBZ買収を持ちかけている」とコメント。このほとんどがポーランドに新規参入を図る銀行だといい、市場では仏ソシエテやBNPパリバ、英HSBC、墺ライフアイゼンなどが買収に乗り出しているとの観測が流れている。
\BZの2009年通期経常利益は前年比4%減の11億6,300万ズロチ、純利益は4%増の8億8,600万ズロチだった。3月末時点の時価総額は約38億ユーロ(147億5,000万ズロチ)。ポーランドの法律では上場企業の株式66%以上を取得する場合、買収側は残りの全株主にも株式買い取りを提案しなければならないと定めている。(1PLN=32.6JPY)
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