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2010/6/30

総合・マクロ

ガスプロム、ベラルーシ向けガス供給を全面復旧

この記事の要約

ロシアの国営ガス企業ガスプロムは24日、前日までに通常の4割に縮小させていたベラルーシ向けガス供給量を、通常の水準に回復させたことを明らかにした。ガスプロムとベラルーシは、それぞれ要求額を下回る金額の支払いを相手から受け […]

ロシアの国営ガス企業ガスプロムは24日、前日までに通常の4割に縮小させていたベラルーシ向けガス供給量を、通常の水準に回復させたことを明らかにした。ガスプロムとベラルーシは、それぞれ要求額を下回る金額の支払いを相手から受け、妥協した。ベラルーシはガスプロムが同日午後1時までに支払いに応じない場合、同国を経由して欧州に向かうガスプロムのガスパイプラインを遮断すると警告していたが、この事態は避けられた。

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ガスプロムは、今年1月から値上げした分のガス代1億9,200万米ドルをベラルーシが支払っていないなどとして、21日から同国向けガス供給量を15%カット。翌22日にはさらに15%、23日には計60%まで削減幅を拡大させた。

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一方、ベラルーシはガスプロムに対し、国内を通るガスパイプラインの今年上半期分の通過料として2億6,000万ドルの支払いを要求。ガスプロムがガス供給を大幅に削減させた23日には、ルカシェンコ大統領が報復として欧州向けパイプラインからガスを一部抜きとると発言、同国経由でロシア産ガスの供給を受けているリトアニアでガス受け取り量が通常の25~30%減るなど、影響が出ていた。

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混乱の拡大が懸念されたが、24日になりベラルーシはガスプロムの要求額に近い1億8,700万ドルを支払うことで合意。ガスプロムは「契約通り」(同社広報)という2億2,800万ドルを支払い、事態は収拾した。ガスプロムは欧州向けガスの2割をベラルーシ経由で、残りをウクライナ経由で輸出している。

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