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2010/7/7

総合・マクロ

ベラルーシが関税同盟復帰、共通の関税法典導入に署名

この記事の要約

ロシア、カザフスタン、ベラルーシの3カ国大統領は5日、カザフスタンのアスタナで会談し、ベラルーシがロシア、カザフ両国で今月1日から導入された共通の関税法典を採用することで合意した。ベラルーシは同法典を6日に発効させた。ベ […]

ロシア、カザフスタン、ベラルーシの3カ国大統領は5日、カザフスタンのアスタナで会談し、ベラルーシがロシア、カザフ両国で今月1日から導入された共通の関税法典を採用することで合意した。ベラルーシは同法典を6日に発効させた。ベラルーシの復帰により、関税同盟は当初の計画通り3カ国で進むことになる。

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ベラルーシは5月下旬、ロシアがベラルーシ経由で欧州に輸出する石油製品の関税、天然ガスの通過料をめぐってロシアと対立し、関税同盟から離脱した。だが、ロシア国営ガス企業ガスプロムが6月30日までに、ベラルーシの要求するガス通過料引き上げに応じたことで態度を軟化。ルカシェンコ大統領は「(同日の)議会で関税同盟復帰に必要なすべての法案が可決した」と発表した。

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ロシアとカザフスタンは1日から両国国境の税関手続きを簡素化させており、これにベラルーシも加わった形だ。ただ、両国は単一経済圏の創出を目指す2012年まで、域内貿易であっても関税を徴収する意向で、関税撤廃を主張するベラルーシとは意見を違える。経済紙『ベドモスチ』によると、ロシア政府内ではさらに、現状で非関税としているベラルーシ向け天然ガスに関税を課す案も浮上しているといい、これが具体化されればベラルーシの反発は必至だ。商業政策研究所のポルタンスキー氏は「ベラルーシが関税法典を共通化させたからといって、すべての問題が解決されることにはならない」と述べ、関税政策をめぐるロシアとベラルーシの争いは継続すると予測した。

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