ロシアのクドリン財務相は6月29日、石油・ガス業界に対する鉱物資源採掘税の引き上げを検討していることを明らかにした。財政赤字削減策の一環として、同税の税収を600億米ドルに拡大したい考えだ。
\大手投資銀行ルネッサンスキャピタル主催のフォーラムで講演した同財務相は、「鉱物資源採掘税の税率を見直し、税収を国内王生産(GDP)の0.5%に引き上げることが目的だ」と発言。今月中に新税率を決定する方針を明らかにした。こうした政府の増税方針に対し石油・ガス業界からは、企業には鉱物資源採掘税のほか輸出税が課されており、高額の税負担が重荷となって新規油田開発の遅れにつながると反発の声が上がっている。
\有力投資銀行トロイカ・ディアローグの石油アナリスト、ネステロフ氏によると、ロシアでは既存油田の生産量が2012年から減少に転じる見通しとなっている。政府は低迷している石油生産の回復を図るため、開発が困難な東シベリアや大陸棚で採掘される原油に関して採鉱税と輸出税の優遇措置を導入しているほか、鉱物資源採掘税と輸出税を統一し、過剰利益税として徴収する税制改革により企業の負担を軽減することを検討しているが、実施は来年以降となる見通しだ。
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