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2010/7/14

ロシア

ロシアIIB、外貨建て債がデフォルト

この記事の要約

ロシア国際産業銀行(IIB)は6日、同日に償還予定だった200億ユーロのユーロ建て社債が債務不履行(デフォルト)となったことを明らかにした。外貨建て社債をデフォルトさせたロシアの銀行は、1999年以来初めて。2013年に […]

ロシア国際産業銀行(IIB)は6日、同日に償還予定だった200億ユーロのユーロ建て社債が債務不履行(デフォルト)となったことを明らかにした。外貨建て社債をデフォルトさせたロシアの銀行は、1999年以来初めて。2013年に満期となる米ドル建て社債も支払い不能として、償還期限の延期を打ち出した。

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デフォルトとなったのは、年利9%のユーロ建て社債と、年利11%で2億ドルの米ドル建て社債。IIBはユーロ建て債券保有者に金利据え置きで1年間の償還猶予を提案。ドル建て債券保有者には5%の金利上乗せを条件に、今月14日に提示する新たな償還期限に同意するよう求めている。

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IIBは1992年に設立。プガチョフ上院議員率いる企業グループ「統一産業法人(OPK)」の中堅銀行で、今年3月末の総資産は1,327億ルーブル。金融危機で打撃を受けたうえ預金が伸びず、中銀の支援に依存する傾向を強めた揚げ句、6月には中銀に対して計116億ルーブルの返済も延滞。中銀はOPKの造船資産を担保として押収していた。

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専門家は「IIBは特別なケース」(格付け機関大手ムーディーズ)として、金融業界への影響はきわめて小さいとみている。金融市場の動きはこれを裏付けており、発表から2日後の8日、金融各社の社債の市場取引価格は急回復、通貨ルーブルの対米ドル為替レートも0.5%の伸びを示した。(1RUB=2.9JPY)

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