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2010/7/28

ハンガリー

ハンガリー、銀行税導入法案が成立

この記事の要約

ハンガリー議会は22日、銀行税導入法案を可決した。銀行、保険会社などの金融企業を対象とするもので、政府は今年だけでも2,000億フォリント(7億600万ユーロ)の歳入を見込む。法人減税など、経済振興を目的とした減税措置の […]

ハンガリー議会は22日、銀行税導入法案を可決した。銀行、保険会社などの金融企業を対象とするもので、政府は今年だけでも2,000億フォリント(7億600万ユーロ)の歳入を見込む。法人減税など、経済振興を目的とした減税措置の財源に充てる方針。しかし、金融業界に多大な負担を強いることで、銀行の体力を消耗させ、景気回復にブレーキがかかるとの懸念も浮上している。

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銀行税は銀行、保険会社、その他の金融企業が対象だ。銀行から資産総額の0.45%、保険会社からは保険料収入(再保険を除く)の5.2%、リース会社などその他の企業からは課税収入額の最大6%を徴収する。試算によると、銀行業界の負担は総額4億5,000万ユーロに上る見通し。預金保険機構への出資上乗せなど、他の負担も合わせると「金融機関の利益はすべて食いつぶされる」(RZB銀のローテンシュタイナー頭取)との声もあり、関係者の間で危機感が強まっている。

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同税の導入については、大幅な課税増加となる関連企業だけでなく、国際通貨基金(IMF)や欧州連合(EU)からも批判が挙がっていた。これに対し、中道右派のオルバン政権は、減税と、今年の新規債務目標(3.8%)の実現を両立させるため、銀行税は不可避との立場を示していた。首相は銀行税を「一時的なもの」と位置づけているが、すでに来年も同税からの税収を見込んでいることを表明しており、廃止の時期は不透明だ。

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