ロシア農業省は20日、年内の穀物輸入はないと言明した。数百万トンの輸入が必要になるとするメディア報道を否定するもので、アクショーノフ報道官は「市場騰貴を狙った穀物トレーダーの一部が流したうわさに過ぎない。需要を満たせるだけの穀物が国内に存在する」と話した。現地経済紙の『ベドモスチ』は19日、農業省幹部に近い筋の情報として500万トンの輸入需要があると報じた。また、同日付英字紙『モスコウ・タイムズ』も、農業アナリストらの分析として、輸入が輸出を上回る可能性を指摘していた。
\アクショーノフ報道官は、今年の収穫高予測が6,000~6,500万トンであることを改めて確認。2,400万トンの備蓄と合わせて国内需要の7,700万トンは十分に確保できるとの見方を示した。国際連合食糧農業機関(FAO)のアバシアン穀物アナリストによる小麦収穫高見通しは、前年を約2,000万トン下回る4,200~4,300万トンとなっている。大麦については、ロシアの農業関連ニュース通信社SovEconが1,790万トンから990万トンに半減すると予想している。モスクワの農産物市場研究所(IKAR)によると、ロシアは、ジャガイモや玉ネギ、キャベツ、ビート、ニンジンを、欧州などから大規模に調達する計画。砂糖も約250万トン輸入する。また、家畜の飼料となるトウモロコシは米国から輸入することも検討しているという。
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