2010/9/8

ロシア

ルクオイル、カスピ海事業で優遇税率適用へ

この記事の要約

ロシアの石油大手ルクオイルは31日、カスピ海コーチャギン油田で生産する石油に対し、政府から優遇税制適用の確約を得たと発表した。ロスネフチやTNK-BPが操業する東シベリア地域の油田と同様、70%前後の輸出税減税を見込んで […]

ロシアの石油大手ルクオイルは31日、カスピ海コーチャギン油田で生産する石油に対し、政府から優遇税制適用の確約を得たと発表した。ロスネフチやTNK-BPが操業する東シベリア地域の油田と同様、70%前後の輸出税減税を見込んでいる。

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同油田は今年4月に生産を開始。フル稼働時の日産量は約5万バレルに上ると見込まれる。業界アナリストらによると、カスピ海の油田開発は技術的に難しく、大型投資が必要となる。このため、今回の優遇税制適用はルクオイルのプロジェクト成功のカギとなりそうだ。

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ルクオイルが同日発表した2010年4-6月期の純利益は前年同期比16%減の19億5,000万米ドルへと大きく後退した。税金とコストの増加が主な理由。売上高は29%増の259億ドル、営業利益(EBITDAベース)は10%減の37億ドルだった。

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鉱物資源採掘税と輸出税の増加に加え、採掘・輸送コスト、原油購入費、電力料金、人件費などが増えて、支出を膨らませた。石油価格上昇による増収でも相殺できなかった。原油日産量は1.7%減の195万バレル、ガスは28%増の450万立方メートルだった。

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鉱物資源採掘税や輸出税は原油価格を基準に課税される。ブルームバーグ通信によると、ウラル・ブレンド原油価格は4-6月に31%も上昇し、税負担の拡大を招いた。ルクオイルの両税納税額は64%増の47億6,000万ドルに急増した。

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なお、アレクペロフ社長は、今後数年、年間100億ドルを投資し、上流事業を強化する方針を明らかにした。ロシア政府が年内の入札を予定する北極圏のトレブ、ティトフ両油田の権益獲得に向けて応札する計画だ。

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