欧州で銀行税導入の動きが加速している。英独仏の3カ国が導入計画を明らかにしたほか、ハンガリー議会も関連法案を可決。ポーランドとクロアチアも導入を検討している。課税対象となる金融機関の種類や税収の使途は国によって異なり、政府の財源不足を補うため銀行に課税する英国のようなケースや、ドイツのように破綻の危機に陥った銀行の救済に活用する特別基金の財源に充てる場合もある。財政赤字に悩む中東欧諸国では英国型が優勢のようだ。
\ハンガリーの銀行税は、銀行から資産総額の0.45%を徴収するというもので、政府は今年だけでも2,000億フォリント(6億9,500万ユーロ)の歳入を見込む。主要銀行の税負担は、OTPが290億フォリント、MKB、CIB、エルステバンクとライフアイゼンバンクがそれぞれ110億~130億フォリントに上るとみられるが、市場関係者の間では銀行の業績はMKBを除き好調であり、銀行税が業績に与える影響は深刻ではないとの見方が有力だ。
\ポーランドのトゥスク首相は先月31日、銀行税の導入を検討していることを明らかにした。同首相によると、野党の「法と正義」は、政府が来年から予定している付加価値税率引き上げの代わりに銀行税の導入を提案、71億ズロチの税収を目標としている。だた、首相は新税が「銀行の経営の安定を脅かすようなものであってはならない」と述べており、野党案より銀行の負担を軽減する方針を示している。一方、クロアチアはハンガリー並みの負担を銀行に求める方向だ。現地紙『Jutarnji List』によると、導入が実現すれば17億クナ(2億3,500万ユーロ)の税収が見込まれるという。
\