英市場調査会社エスピコムのまとめによると、セルビアの医療機器市場の規模は2億3,300万米ドル、国民一人当たりでは32ドルとなっている。医療機器需要は金融危機による景気後退で減少したものの現在は回復基調にあり、2015年までは年間9%の成長が見込まれている。
\セルビアでは国公立病院が医療システムの柱となっているが、近年は民間病院も増加する傾向にあり、全国に約3,500件の個人病院や診療所があると推定されている。首都ベオグラードには、7つの手術室を備えた大型病院Beogradski KBCが建設中であり、保険会社デルタ・ジェネラリも病院を建設する計画を発表している。
\セルビアは医療機器の大半を輸入に頼っており、輸入額は99年の2,500万ドルから04年は1億900万ドルに、08年には2億4,400万ドルに拡大した。国内の医療機器メーカーは小規模事業者が多く、ほとんどが消耗品の生産に携わっている。代表的なメーカーとしては、メディカル・システムズ(保育器・滅菌装置)、メディカ・システムズ&プロダクツ(歯科用スキャナー)、9.セプテンバー(医療用マスク)などが挙げられる。
\なお、人工透析機器大手の独フレセニウスは、06年にヘモファームから子会社ヘモメドを買収し、Vrsac工業団地で年間150万個の透析器を生産している。同社は今後新たな工場を建設し、バルカン地域の需要に応える計画だ。
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