2010/12/22

ロシア

ロスアトム、タンザニアのウラン鉱山を手中に

この記事の要約

ロシア原子力公社(ロスアトム)が傘下のARMZを通じ、豪州のウラン開発会社Mantra Resourcesを11億6,000万オーストラリアドル(11億5,000万米ドル)の現金取引で取得する。ウラン生産拡大に向けた鉱山 […]

ロシア原子力公社(ロスアトム)が傘下のARMZを通じ、豪州のウラン開発会社Mantra Resourcesを11億6,000万オーストラリアドル(11億5,000万米ドル)の現金取引で取得する。ウラン生産拡大に向けた鉱山買収戦略の一環で、タンザニア南部に位置するムクジュ(Mkuju)鉱床を獲得することになる。取引成立には、オーストラリア当局の承認が必要だ。

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ムクジュ鉱床のウラン埋蔵量(精鉱換算)は1億140万ポンド(4万6,000トン)で、昨年の世界生産量の約77%に当たる。1ポンド(0.45キログラム)当たりの買収額は10.26米ドル。同鉱床の開発プロジェクトは、事業化に向けた最終調査の段階に入っている。

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ロスアトムは外国で原発建設工事を受託しており、完成後の燃料供給をにらみ、資源獲得に動いている。今年5月にはナミビアの鉱床開発に10億米ドルを投資する計画を発表。6月にはARMZを通し、カザフスタンを中心に事業を展開するカナダの鉱山開発会社ウラニウム・ワンの過半数株式を、現金6億1,000万米ドルとカザフ鉱山権益の譲渡により買収することを決めている。

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アジア諸国を中心に、発電用ウラン燃料は需要が伸びる傾向にある。審査業務大手のロイドレジスターによると、2030年までにアジアの原発設置数は現在の115基から300基に増加する見通しだ。

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