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2011/1/5

ハンガリー

ハンガリーがメディア監督機関を設置、報道の自由への介入を懸念

この記事の要約

ハンガリー議会が12月20日に可決した新メディア法が2011年1月1日付で施行された。同法は、テレビ・ラジオ放送局、プリントメディア、インターネット事業者の監督機関としてメディア評議会を設置し、同評議会が報道媒体の運営組 […]

ハンガリー議会が12月20日に可決した新メディア法が2011年1月1日付で施行された。同法は、テレビ・ラジオ放送局、プリントメディア、インターネット事業者の監督機関としてメディア評議会を設置し、同評議会が報道媒体の運営組織と報道内容に介入する権限を認めるもので、国内だけでなく欧州連合(EU)から報道の自由が脅かされることを懸念する声が噴出している。

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新規定によると、放送プログラムの最低50%は欧州メディアが制作したもので、このうち3分の2は国内メディア作品でなければならない。暴力を美化する映像やポルノ的な映像の放映は禁止される。メディア評議会は児童向け番組の内容に介入することができるほか、報道の質を確保し違法な内容の報道を阻止するという目的で、民間放送局とプリントメディアに規制を課す権限を持つ。違反行為には最高75万ユーロ相当の罰金が課される。

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欧州安全保障協力機構(OSCE)は、「報道の自由に関するOSCEの基本理念に反し、報道媒体の独立性と報道の多様化を脅かす」と強く批判。欧州委員会も「EU法に合致するか調査する」と同法への懸念を示している。

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