日本政府と露国営ガス会社ガスプロムは17日、ロシアの太平洋岸からアジア諸国に天然ガスを輸出する事業を進めることで合意した。両者は、ウラジオストク近郊の液化天然ガス(LNG)プラント建設に向け、年内に基本設計に関する事前調査を実施するほか、圧縮天然ガス(CNG)やガス化学製品の生産・輸送の共同プロジェクトについても検討する。
\合意書への調印は当初、昨年11月半ばに予定されていたが、その直後にロシアのメドベージェフ大統領が北方領土の国後島を訪問した影響で、今回にすれ込んだ経緯がある。
\欧州市場で苦戦するガスプロムは、ガス輸入の大半を中東に頼る日本、韓国や巨大市場の中国への輸出拡大を狙っている。ガスプロムが過半数出資し、三井物産や三菱商事も参加するサハリン沖の資源開発プロジェクト「サハリン2」では、2009年にロシア最初のLNGプラントが日本や韓国へのLNG輸出を開始した。「サハリン2」の天然ガスは日本のLNG輸入の7%を占めている。
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