中・東欧、CIS諸国、ロシアに特化した情報誌

2011/1/19

ロシア

露携帯電話大手、イタリアとエジプトの同業買収計画が前進

この記事の要約

ロシアの移動通信事業者ビンペル・コミュニケーションズ(ビンペルコム)の監査役会は17日、エジプトとイタリアの同業大手2社の買収計画を承認した。ビンペルコムはこれにより、世界17カ国に1億7,300万人の加入者を持つ世界6 […]

ロシアの移動通信事業者ビンペル・コミュニケーションズ(ビンペルコム)の監査役会は17日、エジプトとイタリアの同業大手2社の買収計画を承認した。ビンペルコムはこれにより、世界17カ国に1億7,300万人の加入者を持つ世界6位の携帯電話会社に躍進する。ただ、ビンペルコムに出資するノルウェーのテレノールは取引に強く反対しており、株主総会で買収に必要な増資を承認しない姿勢を明確にしている。

\

計画によると、ビンペルコムはエジプトのオスラコムテレコムの株式51.7%とイタリアのウィンドテレコムの株式100%を、エジプト人富豪ナギーブ・サウィリス氏が率いる投資会社ウェザー・インベストメンツから買収する。15億米ドルを現金で支払い、加えてビンペルコムの新規発行株(普通株と普通株に転換可能な優先株)を割り当てる。これらの株式の時価は50億ドルに相当する。取引により、サウィリス氏はビンペルコム資本の20%、議決権の30.6%を掌握する。テレノールの持ち分は資本で31.7%、議決権で25%、アルファグループはそれぞれ31.4%、35%となる。

\

今回の取引は、アルファグループのミハイル・フリードマン社長が先導したものだ。テレノールは、取引金額が高すぎることや、オスラコムが50億ドルもの債務を抱えることを理由に、「戦略的にも経済的にも意味がない」として強く反対してきた。3月17日の株主総会では買収に必要な増資に反対票を投じる構えだ。

\

テレノールとフリードマン氏はウクライナでの戦略をめぐり5年にわたり激しく争い、2009年末にようやく和解した経緯がある。業界専門家は今回の買収をきっかけに両者が再び対立する可能性を指摘している。(東欧経済ニュース2010年10月13日号「携帯大手ビンペルコム、エジプトと伊の同業買収」を参照)

\