2011/1/12

コーヒーブレイク

偽ユーロも流通開始~エストニア

この記事の要約

1月1日から欧州統一通貨ユーロを導入したエストニアで、早くも偽札が登場した。リギ財務相によると、7日までに5件の報告があったが、貨幣偽造の発覚件数が年平均60件であることを考慮すれば、懸念には値しないという。ただ、その後 […]

1月1日から欧州統一通貨ユーロを導入したエストニアで、早くも偽札が登場した。リギ財務相によると、7日までに5件の報告があったが、貨幣偽造の発覚件数が年平均60件であることを考慮すれば、懸念には値しないという。ただ、その後もニセ札による詐欺が続いており、事態が鎮静化するのはしばらく先になりそうだ。

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首都タリンで20ユーロのニセ札が見つかったほか、中部のヴィリャンディ、南部のパルヌ、タルトゥなどで偽造50ユーロ札が確認された。導入直後で国民がユーロ貨幣に慣れていないことを見込んだ犯罪だ。50ユーロ札は同一人物が使ったとみられており、警察では似顔絵を公開し「小さな買い物に高額紙幣で払おうとする、英語またはロシア語を話す若い男性」には十分注意するよう呼びかけている。パルヌではその後、ハンバーガーの代金として使われた200ユーロ札が偽造と分かったほか、玩具店でも偽100ユーロ札が見つかった。

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一般に50ユーロ札は偽造されることが多く、欧州中央銀行によれば、昨年上半期にユーロ圏16カ国で見つかったニセ札38万7,000枚のうち43%が50ユーロ札だった。

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なお、タリン市社会局は5日、貧しい市民に温かい食事をふるまった。ユーロ導入で計算しそこない、食費を使い切ってしまった人が対象となったもようだ。

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さて、役割を終えたエストニア通貨クローンの運命はというと、タリン市の熱供給プラントの燃料として使われる。家屋の断熱材としてリサイクルする案もあったが、衛生面の問題から断念。その他のアイデアも実現できないと判断された。

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