2011/2/9

ポーランド

サンタンデール、ポーランド大手銀を買収

この記事の要約

スペイン最大手のサンタンデール銀行は7日、ポーランドの同業バンク・ザホドニWBK(BZ WBK)の全株式を株式公開買い付け(TOB)を通じて取得すると発表した。サンタンデールは昨年9月、経営難のアライド・アイリッシュ銀行 […]

スペイン最大手のサンタンデール銀行は7日、ポーランドの同業バンク・ザホドニWBK(BZ WBK)の全株式を株式公開買い付け(TOB)を通じて取得すると発表した。サンタンデールは昨年9月、経営難のアライド・アイリッシュ銀行(アイルランド)が持つBZ WBKの株式70%を取得することで合意していたが、同株のほか少数株主が持つ残り株も買い付け、同行を完全子会社とする。

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サンタンデールはBZ WBKの株式を1株当たり226.89ズロチ(58.74ユーロ)で買い付ける。総額は166億ズロチ(42億9,000万ユーロ)に上る。TOBの期間は2月24日から3月25日まで。

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今回のTOBは、上場企業の株式を66%以上買収する場合に残る株式のTOBを義務付けるポーランド法に基づくものだ。ただ、ポーランド金融当局によるアライド・アイリッシュ銀行保有株の買収許可が下りてから実施するとみられていたため、市場関係者は「サンタンデールが当局の承認を確実視している証拠」(ウニクレディト銀行)ととらえている。

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BZ WBKは時価総額でポーランド3位の銀行。本国スペインの事業が住宅バブル崩壊で苦戦するサンタンデールは海外展開の強化に活路を求めている。今回の買収も同戦略に沿ったものだ。

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ポーランドは、他の東欧諸国への進出拠点として注目される。金融危機の打撃をほとんど受けず、昨年の国内総生産(GDP)が3.5%伸びるなど、経済が好調なためだ。また、法人・個人ともに新規融資額が欧州連合(EU)の平均を大きく下回っていることも好材料となっている。(東欧経済ニュース9月15日号「ザホドニ銀、西サンタンデールが買収」を参照)

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