ハンガリーのオルバン首相はこのほど、民間積立型年金(強制個人年金)の加入者の97%が国民年金に再加入したと発表した。公的年金、強制個人年金、任意個人年金から成る3本柱の年金制度から、強制個人年金を廃止して2本柱の年金制度へ移行する年金改革が成功し、国民の相互扶助の精神を示す結果となったと満足の意を表した。一方、民間年金基金の利益団体であるStabilitasでは、民間年金の資産を公有化する今回の措置が法に反するとして、憲法裁判所への提訴を予定している。
\Stabilitasによると、昨年11月成立の法律に基づき、1月末の期限までに民間年金の加入継続に必要な届け出を行った人は約10万2,000人に上った。現在、国内には18社の民間基金が存在するが、個人年金への公的支援打ち切りで、その数は4~8社まで減ると見込まれる。
\公的年金に組み入れられる民間年金資産の規模はまだ明らかになっていない。Stabilitasの統計によると、昨年末時点の民間年金資産総額は3兆361億フォリントで、その97%は2兆9,450億フォリントになる計算だ。オルバン首相は、公的年金の収支均衡が2012年にも達成できるとの見通しを示している。
\Stalbilitasはすでに憲法裁判所へ提訴する方針を明らかにしているが、オルバン首相は「この問題はすでに決着がついていることであり、憲法裁判官でも口を挟む余地はない」と強気の姿勢だ。
\首相はまた、「新制度は今後、運用を具体化する段階」としながらも、「加入者が自分の年金に関して詳細な報告が受けられる体制を整える」と約束。年金資産を他の目的に流用することはないと断言した。(1HUF=0.42JPY)
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