ロシア中部のヤロスラヴリ州がエネルギー関連産業の拠点として注目されている。モスクワにも比較的近く、有能な人材を確保しやすいことから、国内だけでなく外国企業も進出している。同州は2010年1-11月の鉱工業生産が前年同期比9.4%増、輸出が103.6%増など、ロシア全体を上回る好調な経済成長を示し、今後も発展が予想される。
\ヤロスラヴリ州をエネルギー効率化技術の発信地として構築するため、重工業を主力投資分野とする国営ホールディング会社のRostechnologiiと州政府が共同で取り組んでいる。州都ヤロスラヴリ市には先ごろ、ロシアやドイツ企業などの国際合弁事業としてエネルギー問題に特化した新しい技術センターがオープンした。ガスエンジン式発電装置の最適化や、木質バイオマスを使ったガス化装置の開発を行うほか、最新の熱電供給システムの操作技術者の養成も行う。同州はロシアで初めてバイオマス発電の余剰電力を系統電力網にフィードインしている。また、米ジェネラルエレクトリック(GE)が今年、同州のルイビンスクでガスタービン工場の建設プロジェクトに着手する。
\ヤロスラヴリは2018年のサッカー世界大会の競技地の1つでもあり、交通インフラの整備も急いでいる。モスクワからヤロスラヴリまでの鉄道所要距離が2時間に短縮され、モスクワ、ルイビンスク方面の道路網の整備や、空港の拡張も計画されている。
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