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2011/2/9

ロシア

世界2位のカリ肥料メーカーが誕生、株主が計画を承認

この記事の要約

ロシアのカリ肥料大手のウラルカリと、競合シルヴィニトの株主総会は4日、ウラルカリによるシルヴィニトの買収を承認した。これにより、カナダのポタシュに次ぐ世界第2位のカリ肥料メーカーが誕生する。\ 計画によると、ウラルカリは […]

ロシアのカリ肥料大手のウラルカリと、競合シルヴィニトの株主総会は4日、ウラルカリによるシルヴィニトの買収を承認した。これにより、カナダのポタシュに次ぐ世界第2位のカリ肥料メーカーが誕生する。

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計画によると、ウラルカリはまず、シルヴィニトの株式20%を14億米ドルで取得する。その後、ウラルカリの新規発行株をシルヴィニト株と交換する。当局の許可を待ち、今年5月にも取引を完了する。合併によるコスト削減規模は年間1億ドルに上る見通し。

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今回の合併は、ロシアの富豪、スレイマン・ケリモフ氏が主導したものだ。同氏は昨年2月に計画に対するプーチン首相の同意を取り付け、6月には両社の過半数株を掌握した。首相は以前から、世界に通用する企業規模の確保には国内企業の合併が必要と説いており、今回の両社の計画はこれに沿う形となった。

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インドや中国など新興諸国における食糧需要の拡大を背景に、肥料市場は今後、大きく成長する見通しだ。ロシアは肥料の原料となるカリ・マグネシウム鉱石が豊富で、採掘事業の採算性が高いことで知られる。この点からも、合併で誕生する新会社が肥料市場で重要な地位を占めることが確実視されている。(東欧経済ニュース12月22日号「世界2位のカリ肥料メーカーが誕生、ウラルカリが競合買収」を参照)

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