墺エルステ銀行のハンガリー子会社であるエルステバンク・ハンガリーは2月28日、2010年通期の税引き前利益が61億7,000万フォリントと、前年から81.5%減少したと発表した。昨年導入された銀行税や貸付ポートフォリオの悪化が利益の圧迫要因となった。
\エディット・パップ最高経営責任者(CEO)によると、昨年は元本・利息の支払いが3か月以上遅延している遅延債権がポートフォリオに占める割合が11.7%に上昇したことを受け、貸倒引当金を前年比38.7%増の678億フォリントに積み増した。
\営業利益は前年比12%増の931億1,000万フォリントだった。収入面では、純利息収入が8%増の1,114億3,000万フォリント、純手数料収入が12%増の291億9,000万フォリントにそれぞれ拡大。自己資本利益率(ROE)は0.1低下して14.8%だった。また、収入に占める経費比率を示すコスト・インカム・レシオは43.9%から39.4%に低下した。
\10年末時点の総資産額は2兆9,840億フォリントと、前年末から3%増加した。貸付残高は9%増の2兆2,540億フォリントに拡大した一方、預金残高は3%減の1兆1,100億フォリントに減少した。国内リテール金融市場におけるシェアは14.1%、法人金融市場では8.7%だった。
\エルステバンク・ハンガリーは昨年、業績改善に向けたリストラ策の一環として、従業員の8%に当たる190人を解雇し、14支店を閉鎖した。(1HUF=0.42JPY)
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