ハンガリー議会の経済・情報通信委員会は6日、中央銀行の新しい金融政策委員にフェレンツ・ゲルハルト、アンドレア・マルトファイマゲルの両氏を指名した。オルバン首相率いる中道右派政権が金融政策に介入するための委員選考になると見られていただけに、中央銀行での勤務経験がある専門家が選ばれたことを市場関係者は歓迎している。ただ、両氏が中銀で働いていたのは、オルバン首相に近いヤライ前総裁の任期中。このため、両氏は金融政策でシモル現総裁と立場を異にする可能性がある。また、議会はさらに2名の委員を指名する権利があるため、予断は許されない。
\政策金利を定める金融政策委員会は定員7名。外部から参加した委員4名の任期が今月1日で切れ、新委員人事に注目が集まっている。一度に4名の新委員が任命されると推測されていたが、今回、半数の2名となったことで、近い将来の利下げはないと予想される。現在の金融政策委員の数は欠員2名で5名だが、うち過半数3名の顔ぶれが従来と同じだからだ。
\シモル総裁は今回の人事に関して、議会や経済委員会から意見を求められた事実はないと話した。新委員の両氏については、「指名後にコメントをするのは道義的にも、職務的にも良くない」と述べたが、両氏が「憲法と中央銀行法に忠実に職務に取り組むことを信じている」との立場を示した。
\昨年就任したオルバン内閣は、金融緩和政策を求めてシモル総裁と対立してきた。金融政策委員会の外部委員4名のうち2名の指名権は従来、中銀総裁が握っていたが、これを議会に移管する法律を成立させたほか、総裁報酬を75%カットするなど、シモル総裁への圧力を高めている。
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