ロシア移動通信2位のビンペル・コミュニケーションズ(ビンペルコム)が、イタリアとエジプトの競合買収に向けて大きく前進した。計画に反対するビンペルコムの大株主、テレノール(ノルウェー)が株主総会を遅らす狙いで行った仮処分申請に対し、ロンドンの裁判所は1日、却下の裁決を下した。これにより、今月17日の株主総会でビンペルコムが買収計画の承認を得られる可能性が濃厚となっている。
\計画によると、ビンペルコムはエジプトのオスラコムテレコムの株式51.7%とイタリアのウィンドテレコムの株式100%を、エジプト人富豪ナギーブ・サウィリス氏が率いる投資会社ウェザー・インベストメンツから買収する。取引金額は60億米ドル超に上る。
\ビンペルコム株の36%を保有するテレノールは、「戦略的にも経済的にも意味がない」として計画に真っ向から反対している。計画阻止には株主総会で少数株主の70%が反対票を投じる必要があり、今回の仮処分申請却下で、テレノールにとって情勢はさらに厳しくなった。(東欧経済ニュース2011年1月19日号「ロシア携帯電話大手、イタリアとエジプトの同業買収計画が前進」を参照)
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