中東欧経済が今年から成長基調に乗る見通しだ。ウィーン国際経済研究所(WIIW)が10日発表した最新予測によると、中東欧の欧州連合(EU)新規加盟10カ国の国内総生産(GDP)は今年3%、来年は3.6%拡大する。ただ、金融危機前に比べると伸び幅は小さくなり、今後数年にGDP成長率が年4%を超える可能性は小さいもようだ。
\昨年はラトビアとルーマニアがマイナス成長となったが、今年は全10カ国でプラス成長となる。エストニア(4.5%)、スロバキア(4%)、ポーランド(3.8%)で大きな伸びが期待される一方、スロベニアとルーマニアはいずれも2%にとどまる見通しだ。EU加盟国ではないが、ロシアやウクライナなど、金融危機の打撃が大きかった国ほど成長率が高くなる傾向にあるという。
\労働市場の大きな回復はなく、若年層や非熟練労働者をめぐる状況は厳しさを増しそうだ。また、金融危機の影響で所得水準の伸びが鈍化したため、西欧諸国との賃金格差もしばらく残る。国によっては金融危機によって賃金格差がなくなるまでの期間が5~7年にも上るとみられている。
\今回の予測では、北アフリカの政情不安による影響は除外された。1バレル当たりの原油価格=100米ドルを基準とした。
\