スロベニア政府は9日、仏建材大手ラファルジュの同国中部トルボヴリェにあるセメント工場に対し、廃棄物焼却処理施設の稼動を停止するよう命じた。同処理施設から発がん性が指摘されるベンゼンなど有害な物質が排出されている疑いがあるため。
\ラファルジュは2009年、トルボヴリェ工場で1日当たり100トンの廃棄物を焼却処理する許可をスロベニア当局から得た。地元住民や環境保護団体の激しい反対運動にもかかわらず許可が下りた背景として、仏自動車大手ルノーが検討していたノヴォ・メスト工場の閉鎖を撤回する見返りとしてラファルジュに許可を出すという取引が、パホル首相と仏サルコジ大統領との間で行われたのではないかという憶測が流れていた。
\ラファルジュ・セメント・CEホールディングは、ラファルジュと墺建設最大手ストラバグの中東欧のセメント事業を統合した新会社で、ラファルジュが70%、ストラバグが30%をそれぞれ出資。トルボヴリェのほか、マナースドルフ(墺)、レツナイ(墺)、ツィジコビツェ(チェコ)、ペーチ(ハンガリー)に工場を持つ。
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