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2011/3/16

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

ルーマニアでインフレ加速、年内の利下げはなし

この記事の要約

ルーマニア国家統計委員会(NSI)が10日発表した2月の消費者物価上昇率(インフレ率)は前年同月比で7.6%となり、1月の上げ幅を0.7ポイント上回った。食品価格の上昇が主因。前月比では1.8%だった。インフレの加速で、 […]

ルーマニア国家統計委員会(NSI)が10日発表した2月の消費者物価上昇率(インフレ率)は前年同月比で7.6%となり、1月の上げ幅を0.7ポイント上回った。食品価格の上昇が主因。前月比では1.8%だった。インフレの加速で、中央銀行が年内に政策金利を引き下げる可能性はほぼゼロとなった。

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ジャガイモの価格が前月比で10%以上、高くなったほか、小麦粉(2%)、植物油(2.7%)、パン(2.3%)、牛乳(2.4%)も値上がりが目立った。現地経済紙『ジアルル・フィナンチャル』の調べによると、ハイパーマーケットにおける小麦粉、砂糖、植物油、ジャガイモの価格は昨年7月から今年2月までに30%以上も上昇した。

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イサレスク中央銀行総裁は先月、1月のインフレ率が7%を切ったことを受け、今後数カ月のインフレ率がほぼ同じ水準にとどまるとの予測を発表。今月9日にも、夏までは7.2~7.5%で推移するとの見方を改めて示していた。中銀は今年後半に政策金利を現在の6.25%から5.75%へ引き下げることを検討していたが、インフレ加速でその実現はなくなったもようだ。

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中銀は先月7日に今年のインフレ予測を従来の3.4%から3.6%へ引き上げた。来年は3.2%に縮小するとの見方だ。

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