中・東欧、CIS諸国、ロシアに特化した情報誌

2011/3/16

CIS諸国

ウクライナ、IMFの追加融資は不要

この記事の要約

国際通貨基金(IMF)はウクライナに3回目の緊急金融支援となる15億米ドルの融資を実行するかどうかを4月半ばに決めるが、ウィーン国際経済研究所(WIIW)のエコノミスト、アストロフ氏は、追加融資は必要ないと見ている。同国 […]

国際通貨基金(IMF)はウクライナに3回目の緊急金融支援となる15億米ドルの融資を実行するかどうかを4月半ばに決めるが、ウィーン国際経済研究所(WIIW)のエコノミスト、アストロフ氏は、追加融資は必要ないと見ている。同国の2010年の対国内総生産(GDP)財政赤字比率は6%と高いが、状況はそれほど深刻ではなく、債務残高もGDP比40%と比較的低いことが判断材料だ。オーストリア経済紙『Wirtschaftsblatt』が報じた。

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アストロフ氏は、最近は外国直接投資が資金流入超となっており、信用貸出も拡大していることからも、IMF融資への需要は小さいと見る。また、ウクライナの経済成長は今年プラス4%、2012年プラス5%と堅調が予想されるため、税収拡大も期待できるとしている。

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IMFが追加融資の条件としている年金改革には国民の反対の声が強く、改革案が3月末の議会決議で否決される可能性もある。年金改革では女性の年金受給年齢を55歳から60歳に引き上げることなどが盛り込まれており、低所得者の生活を脅かすことにつながるとの懸念がある。

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